絶対音感

こんなサイトがあるらしい。
絶対音感テスト」http://zettaionkan.jp/tools/pptest.html

私もヤマハ音楽教室には10年ほどお世話になったが、絶対音感などというものは無縁だと思っていた。
いや、3歳からずっとピアノをやっているのだし音を聞けばなんとなくフィーリングで「ミミレミ〜」などと歌ってしまう習慣はあったので、音感はあるんだろうなと思っていたフシはあった。
だが、中高の音楽の授業で調に対応した階名を歌わされ、そこで大混乱をきたしたのだ。
いま思えば、階名がしっくりこないのは私が持っているのが相対音感よりも絶対音感に近いからこそなのだろうが、自分の思っていた音が思っていた言葉で歌われないことに自信を喪失した。
そもそも私には「耳の良い弟」というライヴァルがいて、私の中途半端な音感では到底彼に敵わない。
彼と違って耳コピというものがちゃんと出来た試しがないし、キー音がわかってなんとなく想像がつく程度なのだから、きっと「相対音感」に違いない。
そう結論づけて10年くらい経った。


そこで出会った10年目、前述のテストである。
初心者向けの「キッズ音感コース」と自信のあるひと向けの「超絶絶対音感コース」があるのだが、ここは当然のごとく「キッズ音感コース」を選択。
そして全プリセットにトライした。


ら、正答率100%だった。


驚愕である。


「19年目にして知る真実、私には絶対音感があったのか!?」である。



しかしふとそこで思いなおした。
私は音感というよりも、音に対する記憶力が高いだけではないのかと。
確かに、カラオケでは原曲と調が違うと音が歪んでいるように思えて仕方がない。
そもそも私が歌えるのは原曲と同じ音だけなので、演奏より半音低かろうと私は原キーで歌うより外ない。
ただ、よく言う「絶対音感」保持者のように、それを階名で理解しているわけではないのだ。そのまま移植(コピー)しているだけ。
そもそも階名が出てくるのはピアノだけであり、他の楽器では上手くいった試しがない。


これはつまり、幼い頃からふれてきたピアノ・そのものの音と階名だけが一致しているのであって、絶対音感とはいえないのではないか。


そこで恐る恐る「超絶絶対音感コース」にトライ。
苦手な黒鍵(♯や♭)が選択肢に現れた途端、選択に迷いが生まれた。
最初2つのコースでは実際には黒鍵の音は一つも問題に出なかったにも関わらず、わからなくなって黒鍵をクリックしたその問題だけが不正解だった。
つまり、慣れていない黒鍵の音を記憶していないのだ。


結局、「プリセット5:白鍵+黒鍵 6オクターブ」では
32問中正解が18問、正答率56%という結果が出た。
(うち白鍵は1問だけ不正解、黒鍵は16問中実に13問が不正解であった。)
これでも充分「絶対音感」保持者ということになるらしいが、この白鍵と黒鍵の差、また低音域の弱さからみても、私が馴染みのない音を音名で認識できないのは明らかである。
絶対音感」保持者は音楽に限らず、雨音や踏切の音でさえ音名で聞こえるそうだが、それは私にはあり得ない。なぜならピアノの音名しかインプットしていないからだ。


感覚ではなく記憶力を向上させることによって対応していたなんて。
まぁなんとも私らしい話だと、根拠のないそんなオチ。